まじめな問題を茶化したがるのは、日本だけの風潮かと思ったら、同じアジアの他の国々も似たようなものらしい。深刻な通貨危機に陥った韓国やタイで、あの国際通貨基金「IMF」が、流行語になっているという。韓国では、一九九七年十一月ごろから、通貨のウォンや株価が暴落。マスコミで、その経済危機の報道とともに、「IMF」という言葉がさかんに流れるようになった。そこで、この三文字をもじって、「IwasFired(わたしはクビになった)」といった言いまわしが流行。その後、経済再建のIMFの呼びかけを受けとめるようになると、IamFighting(わたしはがんばっている)」といった使い方をするようになった。また、あちこちの商店や飲食店などで、「IMF」という言葉が、「格安」という意味で使われるようになった。たとえば、「IMFパーマ」は、トリートメントなどのヘアケア商品を使わなくても長持ちするパーマなど、美容院にいく回数を減らして、結果的に節約できるパーマのことで、女性のあいだで好評だという。そのほか、IMFラーメン、IMFステーキ、IMFドレスなど、「IMF」の文字が巷に氾濫。大安売りのことを「IMFセール」といい、不況下で客をつなぎとめるために値下げしたスナックが、それまでの店名の下に「IMF」を加えるといった例もある。タイの場合は、一九九七年八月に深刻な通貨危機に見舞われ、IMFの財政支援策で持ちなおした。そのあいだに、韓国の場合と同じく、それまで「IMF」など何の関心もなかった人々が、連日のマスコミの報道で、すっかりなじみに。「IMF」が流行語となった。ただし、タイでは、「IMF」の使い方が韓国とはだいぶん違う。なにしろ、「IMF」という語は、いつも経済不況とのからみで、マスコミに登場する。そのため、本来の意味をすっかり離れ、「IMF=不況=いやなこと」という連想から、否定的な意味で使われる。たとえば、商品のことを「IMF」といえば、「安かろう、悪かろう」の粗悪品。「あの人はIMF」といえば、いやな人の意味なのである。
格安航空券は、航空会社では直接売れないため、取り引きのある旅行代理店に流す。そして、その旅行代理店は旅好きの人々の会員組織を持っていて、その会報誌などで安い料金を出して客を集める。代理店の手数料は、航空運賃の10%だが、時にはその分を削って更に安くし、極端な場合は儲けがほとんどなくなるまで下げていく。こうして売れない便を処理してくれた代理店に航空会社は、黙っていても売れるピーク時の航空券を優先的に回してバランスをとっていくわけだ。このようにして生まれる格安航空券もかなりある。・ツアー用の運賃を個人に売る。パッケージツアーをつくるために各旅行会社が使うのが、新ITT運賃と呼ばれる格安運賃だ。これは、ホテル宿泊や市内観光と組み合わせることで初めて、安く売れることになっている。ところがパックツアーをつくっても思うように売れない場合、これを個人客に格安航空券としてバラ売りするのだ。といっても成田空港でチェックインする時は、一時的に同じ利用者を集めて臨時の団体ツアーになる。そして、チェックインが終われば再び個人に戻る。このスタイルの格安航空券も非常に多い。
元禄時代(宝永年間)に富士山が爆発したとき、江戸の町では最初に原因不明の白い灰が降り、黒い雲の中に雷明か光った。そして二日してから早馬で噴火を知らせてきたと新井白石の『折りたく柴の記』にある。火山から煙が出ていることがきれいにみえるのは風上に立ったときだけである。鹿児島の裏山である城山に立つと、錦江湾ごしに桜島が男性的な雄姿を見せ、とくに西風が吹いているときに噴煙が上がると絶景である。ところが、東風のときには桜島はどんよりとしか見えず、ガラス質のとがった成分を含む灰が降って、市電の架線は火花を散らし、私のようにコンタクトレンズをしていると目が痛くなる。鹿児島県は桜島のほかにも、霧島や開聞岳など火山が多く、その灰が積もったシラス台地が拡がる。ここでは水はけがよすぎて米作りには向かず、土砂崩れもよく起こす。これがサツマイモの栽培が盛んなことの理由でもある。