昔からサバは、「海のムギ」といわれてきました。これは、ムギに匹敵するほどの栄養価があり、またおいしいということを、昔の人たちが表した言菜です。庶民に親しまれてきたサバは、安価で親しみがある魚たったために、いくつかのことわずか残っています。「秋サバは、嫁に食わすな」これについては2つの解釈がありますが、ひとつは、妊娠している嫁にサバを食べさせると、その強い油で赤ちゃんに悪い影響が出るから、という体を気づかった解釈。もうひとつは、おいしくて栄養があるサバを、嫁などに食べさせるのはもったいないという嫁をイビる意味だという解釈です。また、別のことわざ。「サバの生き腐れ」サバの鮮度についての注意を、ことわざにして残していると思われます。サバは鮮度が落ちてくると、ほかの魚よりも変質するのが早いから。血合い肉の部分がもっとも早く変質していくのです。新鮮なサバの血合い肉は、栄養価が高いのですが、それはあくまでも新鮮だから。しかし、一見、新鮮そうなサバの刺身を食べても、食中毒にかかってしまうこともあるのです。これは、サバの血合い肉の中にふくまれているヒスチジンが、ヒスタミンに変化してしまうから、このヒスタミンは、体内に入るとアレルギー症状をおこしてしまうのです。しめサバは、食べてもだいじょうぶなのか?という心配をする人もいるでしょうが、ご心配なく。しめサバで使われる酢には、アレルギーをおこすヒスタミンの生成を防ぐ働きがあるからです。つまり、理にかなったサバの食べ方なのです。ところで、サバのことを下魚として見下している風潮がまだ残っているようですが、それは明らかにまちがった考えです。サバには、成人病を防ぐエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)が、ほかの魚より多くふくまれていることがわかってきたからです。また、サバには人間の体に有用なビタミンがバランス良くふくまれています。ビタミンBはサバの尾に近い部分の皮と身のあいだに、集中してたくさんふくまれています。また、糖尿病にかかるのを防いだり、かかっている人の病状を良化させる効果のあるビタミンDもふんだんにふくんでいるのです。こうしてサバを見てみると、食べ残すところがないほど、体にいいのです。下魚と見下していた風潮がまちがいとわかったでしょう。
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